ボールペンと変わらない値段でも気軽に買えちゃう万年筆。でも何となく手入れとかめんどくさいんじゃないの?って人も多いと思います。
自分もそうでした。
しかし待ってほしい。これが意外に簡単なんだ。
めんどくさがりで掃除とか嫌いだけど万年筆は使えてます。手抜きはしてるけど問題なく使えてるからまあ大丈夫でしょう。
目次
万年筆は使うことが一番のお手入れ

万年筆でいちばん大事なのはいつも使い続けるということです。
使い続けて定期的にインクを補充していれば、内部のインクが乾かない。これがホント大事!
万年筆の中でインクが乾いてしまうと大変で、ペン先のつまりの原因になって書けなくなってしまうこともあります。
乾いてしまったら洗浄しなけりゃならないけど、ヒドいときには自分でやっても洗浄ではキレイにならないことも。
そうなると修理に出さなきゃいけないので、お金も手間もかかります。
だから使い続けていることが1番。これをしていれば他の手入れがぐんと減ります。
そうすると手入れといってもインクの補充くらいになるのでラクチン。
ボトルインクからの吸入はやり方が分かればカンタンだけど、これがメンドウだという人はもうカートリッジインクを使って欲しい。
インクの吸入もあんまり頻繁にあると面倒ですが、万年筆ならではの特別な時間って感じであえて手間がかかることをしている感が私は好きです。
やっぱり放置が一番良くない!
しばらく使わないなら万年筆からインクを抜く

乾きは大敵なので長期間使わないときにはインクを抜いて洗浄すべきです。
具体的にどれくらい?という基準はその万年筆によって乾きやすさが大きく変わるので一概には言えないですが、乾きやすいものだと体感で2週間使わないなら抜いておいたほうが良いと思います。
1000円万年筆で大ヒットしたカクノはかなり乾きやすい方かと思います。
長期間乾かない万年筆を使うという手もある
プラチナ万年筆のスリップシール機構だと1年位使わなくても大丈夫なので、これが搭載されているものを買うという手も。
これ1本持ってて、買ってからまだ1回もインク入れ替えてないんですが、2年くらい経つのに余裕で使えてます。
ホント凄い・・・!!
それ以外の万年筆だと、基本的には嵌合式(かんごうしき)といわれるカチッと閉める蛍光ペンやサインペンなどでよくあるタイプは手軽で使い勝手は良いのですが、一般的にネジ式のキャップに比べて乾きやすいです。
逆にネジ式は少し手間がありますが、インクが乾きにくいという良さがあります。
使ってみるとわかりますが、全然違います。
使う万年筆が増えた今、インクを入れている万年筆のほとんどがネジ式です。
ちなみに、パイロットの人気万年筆のキャップレスは乾きやすいです。
体感では嵌合式の万年筆と同じくらいの印象。
ただ、キャップレスは使い勝手バツグンで使う頻度が多くなりやすいので、その欠点はほとんど問題にならないかもしれないですけどね!
万年筆を洗浄する

洗浄が必要なのはこんなとき。
- 長期間使わないとき
- しばらく洗浄してないとき
- インクが乾いちゃったとき
ずっと使っているとペン先に紙の繊維がつまったりしてくるので、たまには洗ったほうが良いです。
ホントはインクを吸入するときたびに洗ったほうが良いんですけどね・・。
インクを補充するときにホコリがインク瓶に入ってしまうのでインクにカビが生えたり変質したりする原因になるので。
でもまあ万年筆でガンガン書いて、インクをたくさん使ってればインクの保管方法を間違えなければ大丈夫なのかな。
万年筆歴3年ほどですが今までに問題になったことはありません。
インクの保管方法についてはコチラに詳しく書いているので、気になった方は読んでみてください。
万年筆の洗浄で用意するもの
洗浄キットが売っていますが、固まってしまってどうしても汚れが取れないようなとき以外はなくても大丈夫です。
以下にあげたアイテムはあると便利です。
コップ
100円ショップなんかで適当に買えば良いと思います。
なければ洗面器とかでも良いですが、インクの色で染まってしまう可能性があるので、染みになっても良いものでなければ専用で買ったほうが良いです。
ペン先をつけるときにペン先がコップに当たらないような大きめのものにしたほうが良いです。
ペン先が軽く当たるくらいなら大丈夫ですが、接触によってダメージを受けてしまう可能性があります。
私はうがいに使うようなサイズのコップを使用しています。
化粧用の注射器
カートリッジを再利用する場合に使います。
これも100円ショップで売ってます。
化粧品コーナーにある、先の太いやつです。
万年筆の洗浄手順(水洗い)
コンバーターの場合の洗浄手順
水またはぬるま湯をコップに入れて、インクを吸入するときのように水を吸入したり、出したり繰り返します。
このときにコップの水が汚れてきたら水を交換してください。
ある程度キレイになったらコンバーターを万年筆の本体から外して、ペン先をきれいな水を入れたコップの中に半日~一晩つけておき、終わったら乾かします。
水につけるときにはペン先がコップ当たらないように注意してください。
最悪の場合は書けなくなったり書き味が変わってしまったりするので。
カートリッジの場合の洗浄手順
カートリッジを万年筆から外し、水道の水またはぬるま湯を万年筆の上(カートリッジが刺さってたところ)にかけます。
しばらく水を流してある程度キレイになったら、上のコンバーターと同じようにしばらくきれいな水につけてから乾かしてください。
カートリッジを洗うとカートリッジが再利用できます。
先ほど紹介した注射器でボトルからインクを吸入して空のカートリッジに入れてやればコンバーターに対応していない万年筆でも好きなインクを使えるようになります。
カートリッジで好きなインクを使う方法について詳しくはコチラに書いていますので、もし気になったら読んでみてください。
水洗いでダメだったとき
インクが頑固にこびりついてしまって水洗いで取れない場合や、顔料インクなどで水洗いでキレイにならないような場合には専用のインククリーナーを使うという手もあります。
万年筆の扱いの注意点

1つの万年筆で使うインクは1種類
違うインクが混ざると、インク同士が化学反応を起こして変質してしまうことがあります。
洗浄していても完全に取りきることは難しいので、違うものを入れると混ざってしまいます。
色が多少変になるだけなら良いですが、万年筆にダメージを与えることもあるので、1度インクを入れたら違うインクはその万年筆には使わない方が良いです。
ひどいときは万年筆の内部が溶けることもあるそうです。怖いですね。
とはいえ一生インクを変えられないというのも辛いかと思います。
もしインクを変えたいときはいつも以上に念入りに洗浄するようにしてください。
私は違うインクを変えるときも同じメーカーの同じシリーズのインクでしか変えたことがありません。
値段が高い金ペンでは怖いので違うインクを入れたことは今までないですね・・。
酸性のインクとアルカリ性のインクを混ぜたときが一番マズイそうなので、インクを変えたいときはphを調べて組み合わせに問題がありそうなときは避けるとより安心です。
特殊な万年筆のお手入れについて
構造が特殊な万年筆など、扱いに少し注意が必要な万年筆のお手入れについてはコチラに載せていきます。
パイロットのキャップレスの洗浄について
パイロットのキャップレスはその特徴が故に特殊な構造をしています。
そんなキャップレスの洗浄方法について書いていますので、もし気になったら参考にしてみてください。
ペリカンのスーベレーンシリーズの洗浄で水に浸けるときは注意
ペリカンのスーベレーンの軸は水を吸いやすい材質のため水に浸けておくとふくらんでしまい、変形したりキャップが閉じれなくなってしまう可能性があるそうです。
洗浄で水に浸けるときはペン先だけが浸かるようにする必要があります。
万年筆のお手入れ・メンテナンスのまとめ

冒頭で書いたとおり、使うということさえしていればほとんど何もせずとも問題ありません。
パイロットのカスタム742シリーズは3本持っていますが、今まで1度も洗浄したことないかも・・。
数年経っていますが、今のところ問題なく使えてます。
そんな感じであんまり手入れってほどのことはしてないですが、その代わりに日記とかでこまめに色んな万年筆をローテーションで使ってます。
これやってれば万年筆の状態もわかるし、ついでに手入れにもなるので良いですよ。
もちろん日記でなくてもペン習字練習などでも良いかと思います。
万年筆の使いみちがわからない!という方はコチラに書いているので、もし良かったら参考にしてみてください。
このほかオススメの万年筆について書いていますので、良かったらコチラの記事もどうぞ!