Twitterで卒園式で絶対泣いちゃうなんてつぶやきを目にしても、自分はあり得ないだろうなーと思っていた。
小中学校の卒業のように一律に訪れるものであれば、また節目として感じるものがあるかもしれない。
しかし今回はたまたま保育園が小さく今年の3月までしか受け入れてもらえないためにこのタイミングで卒園になるだけだ。
4月から別の保育園に行ってまたそのうち卒園式をやることになる。だからなんだかありがたみというか節目感がない。ドライにとらえていた。
そして卒園式当日・・・
家族4人となってからはじめて家族全員での外出。
上の子は久しぶりに母と出かけられたのが嬉しいのか、オシャレできて嬉しいのか、はたまた両方なのか、浮かれてスキップやギャロップをしながら保育園に向かった。
とにかくはしゃいでいた。
保育園につき、子どもたちとはいったん別れて保護者は先に会場に入る。
横一列に並べられた座席。
座席は決められていて我が家はど真ん中であった。
少し緊張しつつもしばらく待っていると、先生に連れられて子どもたちが並んで入ってきた。
子どもたちが席につき落ち着いたタイミングですぐに式が始まる。
開会のあいさつにつづいて、保育証書の授与。
いきなり娘の名前が呼ばれた。
まさかのトップバッターだったが、臆することもなく「はいっ!」と元気よく返事をする娘。

大役を任され、園長先生の言葉をじっと聞いている凛としたその立ち姿を見て、「頑張ってたんだな」と目頭が熱くなる。
娘はやたらとお姉さんぶって、よその子のお世話をしたがるおせっかいな子だ。
家でも自分のことを置いといて下の子の世話をしたがったり、嫌がってるのに抱っこしたがったりしている。
保育園でもおせっかいでさぞかし迷惑をかけてるのではないかと心配していたけれど、しっかりとやることはやっていたんだろう。
人見知りで注目されると照れてしまって喋れなくなったり動けなくなってしまう子だったはずだった。
以前の保育園の行事でダンス披露のときには、きっと練習では上手だったんだろうけど本番では動けず固まってしまうのが毎度のことだったのに、今回はとても立派な姿だった。
先生たちから歌が贈られた。
しかし、泣きながら歌っているというか、もはや泣きじゃくって歌えてないような先生も何人かいた。
これはズルい。
すでに涙腺が緩んでいるところで、これはダメだ。
先生たちの顔を見られないので、下を向き必死に涙をこらえた。
たぶん他の保護者の方々ももらい泣きしてしまっていたんだろう。涙を拭う人たちがたくさんいた。
ここまで育てるのに色々あっただろう。
うちも結構つらいときがあった。夫婦の仲が微妙な感じになるようなときも。
よその家でもきっと各々あっただろう。どんなときも常に「子育て楽しーぜー!」って人なんていないだろう。
しかしこのときは無事に育ってくれた子どもたちへの喜びに満ちていた。我が子だけでなく、友達にも付き合いが長い子がたくさんいる。みんな元気に育ってくれて嬉しく思う。
なんだか幸せな時間だった。
式が終わると緊張がとけたのか娘は号泣していた。なんだこいつ子どもみたいで可愛いじゃん。
おしまい