万年筆によってインクの吸入方式が異なります。
- コンバーター式
- カートリッジ式
- 本体吸入式
- アイドロッパー式(インク止め式)
主なタイプは上の3つです。
コンバーター式とカートリッジ式については両対応している場合が多く、これが主流です。
吸入方式ごとの特徴
吸入方式ごとの特徴をまとめてみました。
| コンバーター | カートリッジ | 本体吸入式 | アイドロッパー | |
|---|---|---|---|---|
| インク容量 | ✕ | ○ | ◎ | ◎ |
| 好きなインクを使える | ○ | △ | ○ | ○ |
| 手軽さ | ✕ | ○ | ✕ | ✕ |
| メンテナンス性 | ◎ | ✕ | ○ | ✕ |
| コストパフォーマンス | ○ | ✕ | ○ | ○ |
手軽に使いたいならカートリッジインクで、好きなインクを使いたいならそれ以外のコンバーターや本体吸入式が良いでしょう。
カートリッジとコンバーターは両対応している場合がほとんどで、最初は手軽なカートリッジインクで慣れてきたらコンバーターにというように切り替えられるので最初はこのタイプがおすすめです。
一番主流なタイプなので選択の幅も広いです。
コンバーター式
コンバーターはインクの吸入器でありインクを貯めておくタンクでもあります。
コンバーターは、インキ瓶から万年筆にインキを吸入するためのインキ吸入器です。
(パイロット公式ホームページより)
ボトルインクを使いたいなら、コンバーターか本体吸入式が良いと思います。
コンバーターは独自規格と欧州統一規格があります。
国内3大メーカー(パイロット、プラチナ、セーラー)については独自規格を採用しているため、他社のコンバーターを使用できません。
また、同じ会社のものでも容量によって対応・非対応が異なります。
インクの容量は少なめ
インクの吸入機構があるのでそのぶんインク容量が少なくなってしまいます。
パイロットの標準のコンバーター(CON-40)の容量は0.4mlですが、カートリッジは0.9mlくらいあります。
ただし、大きめの万年筆だと大きいサイズのコンバーター(CON-70)も使えて容量は1.1mlになるので、カートリッジよりもコンバーターのほうが大きい場合もあります。
万年筆の洗浄は簡単
インクの吸入の容量で水を出し入れすることで簡単に万年筆を洗浄できます。
カートリッジやアイドロッパータイプの万年筆だと別でスポイトなどを用意する必要がありますが、コンバーターだとその必要がありません。
カートリッジ式
カートリッジ式は既にインクが詰まっているので、インクの補充はボールペンの替芯のようにカートリッジを交換するだけです。
手軽さはバツグン
カートリッジタイプだと筆箱などに入れて持ち運びできるので、試験に万年筆を使うような人には特に人気です。
インクの容量が多く、インクが空になったときの対応もカートリッジを取り替えるだけで簡単なので、スピードが求められる人には正にうってつけです。
コスパでは劣る
手軽なカートリッジインクですが、同じインクであればボトルインクよりもコスパは劣ります。
ボトルインクでもピンきりなので高いものを買えばコスパは悪くなりますが、コスパを追求したいならカートリッジ式以外を選んで、安いインクを買ったほうがランニングコストは安くおさえられます。
好きなインクが使えない
最初からインクが詰まっているので、好きなインクを使うことが出来ません。
例えばパイロットの大人気のインクシリーズである色彩雫(いろしずく)は瓶のみでカートリッジでは出ていません。
ただし、インクが空になったカートリッジを洗浄して乾かし、注射器などで瓶からインクを移してやることで好きなインクを使うウラ技もあります。
詳しくはコチラの記事に書いています。
容量が多い
カートリッジではインク吸入機構がない分、コンバーターよりも容量が多くなります。
本体吸入式

このタイプはコンバーターのようにインクを吸入する機構が万年筆本体についています。
ボトルインクがあればすぐに好きなインクを使うことが出来ます。
インク容量が大きい
コンバーターは色々な万年筆を使えるようにするため小さめに作られている分、万年筆の中に余分な隙間ができます。
本体吸入式ならその余分な隙間がなく、本体のサイズに目一杯インクを詰められるので、インクがたくさん入ります。
パイロットの『カスタム ヘリテイジ92』という万年筆だとインクの容量は1.1mlです。
故障に弱い
万年筆本体に吸入機構があるため、故障したときはコンバーターのように手軽に交換というわけにはいかず、修理が必要になります。
万年筆の洗浄は簡単
コンバーターと同様にインクの吸入の容量で水を出し入れすることで簡単に万年筆を洗浄できます。
カートリッジやアイドロッパータイプの万年筆だと別でスポイトなどを用意する必要がありますが、コンバーターだとその必要がありません。
インクの入れ方

インクの入れ方についてまとめました。
動画を見ていただいたほうがわかりやすいので動画を載せています。
コンバーター式
コンバーター式でよくある注意点ですが、インクを吸入したあとに万年筆についたインクを拭き取るときにペン先は拭かないでください。無限にインクがとれますので。
拭き取るのは持ち手(軸)についたインクです。
拭いても拭いてもインクがつくよー!ってときはたぶんペン先に触れています。
自分で補充した分だけインクがペン先に供給されつづけるので終わらない戦いをすることになります←経験済
回転式コンバーターのインク吸入
コンバーターで一番多いのがコチラの回転式です。
プッシュ式コンバーターのインク吸入
カートリッジの交換
カートリッジ式でよくあるのが、カートリッジをセットしたのに書けない!壊れてるの!?っていうトラブルです。←経験済
コンバーターの場合だとペン先から吸入するので吸入した時点でペン先までインクが供給された状態になるのですぐに書けるのですが、カートリッジ式の場合はペン先にインクが供給されるまで結構時間がかかります。
少し置いて気長に待つか、カートリッジの腹を軽くもんでやると少し早く供給されます。
本体吸入式万年筆のインク吸入
インク吸入方式のまとめ

私は好きなインクを色々使いたいのでコンバーター派です。
パイロットのCON-70っていう大容量コンバーターは使い勝手もよくてオススメ!
このコンバーターに対応してなかったら買うのを控えるレベルです。
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万年筆についてこんな記事も書いていますので、良かったらコチラもどうぞ!














