普段何気なく使っている万年筆でも、構造を知ることで万年筆の奥深さに触れ、万年筆選びがより楽しくなります。
今回はそんな万年筆の構造をまとめてみました。
万年筆の構造

万年筆をザックリと3点にわけてみました。
ペン先は書き味、軸は持ちやすさに関わる好みの大きく分かれるパーツです。
キャップは気密度によってインクの乾きやすさに関わっていて、ブランドによってデザインも大きく異なり、見た目の印象を決めるパーツです。
次から各パーツの詳細について説明していきます。
万年筆のペン先

ペン先はニブとも呼ばれる書き味や字幅に直接関わるパーツです。
金やステンレス、スチールなど様々な素材が使われます。
ペン先に金が使われている万年筆は通称『金ペン』、金が使われていない万年筆は『鉄ペン』などと呼ばれます。
それぞれの特徴を簡単にまとめるとこんな感じです。
- 値段が高い(1万円以上)
- やわらかな書き味
- インクによる腐食に強い
- 安価(100円~)
- 硬めの書き味
あくまで一般論なので、万年筆によっては金ペンでも硬い書き味のものや鉄ペンでも1万円以上する高価なものもたくさんあります。
高いから良いというものではないので好み・相性で選べばよいと思いますが、万年筆にハマると金ペンを好んで使う方が多いです。
自分で持ったときや書いたときにしっくりくるのが一番です。
ペン先の種類について詳しくはコチラの記事に書いています。
万年筆が初めての方には個人的には鉄ペンのほうがおすすめです。
筆圧を抜いて書く万年筆は扱いづらく感じてしまう場合も多いので筆圧が高くても扱いやすいうえに安価な鉄ペンをおすすめしています。
金ペンは同じ金でも純度によって14金や18金、21金などわけられ、14K、18Kなどと表記されます。
万年筆を使い始めて好きになってきた方はぜひやわらかくて滑らかな金ペンを使ってみてほしいです。
おすすめの金ペンについてはこちらの記事に書いていますので、気になった方は読んでみてください。
ペンポイント
ペン先の先端についていて字幅やインクフローなどを左右するパーツです。
紙に直接触れるところで耐摩耗性がある金属でつくられています。
万年筆で書いているうちにペンポイントが摩耗していくことで、使う人に合わせてかきやすく育っていきます。
ハート穴
メーカーによってハート形や丸形など形状が異なります。
大きさや位置、形状などによってペン先の弾力を決めるパーツです。
スリット
切り割りとも呼ばれます。
インクの通り道となる部分です。
このスリット(切り割り)の距離が長いほどペン先がよくしなるのでやわらかく感じます。
ペン芯

プラスチックなどでできているペン先を支えている部分です。
地味ですが万年筆で筆記するために大切な役割を持っています。
クシ溝
クシのように細かくスリットが入っている部分です。
インクの供給量を調節していて、インクのボタ落ちを防ぐ役目もあります。
飛行機のように気圧が変化しやすいところでもインクが漏れないためには、このクシ溝が重要な役割を果たしているそうです。
空気溝
インクが滑らかに出るにはインクの代わりに空気が万年筆の内部に入る必要があります。
空気溝を通じて空気が万年筆内部に入り、滑らかなインクフローがうまれます。
万年筆の軸

わたしたちが直接万年筆にふれる部分なので、太さや触感、重さなど人によって好みのわかれるパーツです。
金属やプラスチック、エボナイト、木などの素材でつくられています。
首軸
ペン先に近い、軸の先端部分です。
手で持つ部分なので握りやすくなっています。
胴軸
軸の真ん中のインクを貯蔵する部分です。
尻軸
軸の後ろの部分です。
尾栓と呼ばれ、この部分を回転させてインクを吸入できるタイプの万年筆もあります。
例)パイロットのカスタムヘリテイジ92,ペリカンのスーベレーン
万年筆のキャップ

ペン先を保護し、インクの乾燥から守ってくれるパーツです。
押し込むだけでカチッとはめられる『嵌合式』やネジをくるくる回してキャップを開閉する『ネジ式』が一般的です。
パイロットのキャップレスシリーズのようにキャップがないタイプの万年筆もあります。
『嵌合式』やキャップがないタイプは手軽に使えますが、気密度が低くインクが乾きやすいものが多いです。
『ネジ式』はクルクルと回すひと手間がありますが、インクが乾きにくいものが多いです。
天冠
キャップの先端の部分です。
ブランドを表すマークなどが描かれているものも多いです。
モンブランのホワイトスターやセーラーのイカリマークなどが有名ですね。
クリップ
クリップもまたブランドによって様々です。
クチバシを模したペリカンや矢を模したパーカーなど各社様々です。
万年筆の構造のまとめ

万年筆は実際に触って書いてみるのが一番なのですが、簡単に構造や仕組みを知っておくと万年筆選びや万年筆ライフがより楽しくなります。
個人的に今気になっているのはフレックスニブというスリットがとても長くハート穴がないニブをつかった万年筆です。
独特な柔らかさを持っているらしく、どんな感触なんだろうととてもワクワクします。
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おすすめの万年筆について書いていますので、良かったらコチラもどうぞ!















