「万年筆を使ってみたいけど、どうやって選べば良いの?」
「万年筆はやっぱり高いものじゃないとダメなの?」
など万年筆に興味はあるけど、どれを選べばよいのか悩む方のためにまとめました。
私も初めて万年筆を買うときには商品による違いがよくわからないし、一般的な筆記具に比べて値段が高くて失敗が怖いので、買うまでにはかなり調べました。
私の経験から万年筆の選び方のポイントをまとめたので参考にしていただけたら嬉しいです。
目次
初心者向けの万年筆の選び方の3つのポイント

万年筆の選び方として基本的なポイントを3点ご紹介します。
- ペン先の種類(字幅)で選ぶ
- ペン先の素材で選ぶ
- ブランドで選ぶ
万年筆のペン先の種類(字幅)で選ぶ
万年筆のペン先ははボールペンのリフィルと違って簡単に変えることが出来ません。
ペン先を調整することで字幅を変えることもできますが、研磨するので字幅を細くすることはできても太くする方は難しいのです。
中にはペン先だけ販売されている万年筆もあるので、ペン先だけ購入して交換することで比較的安価に抑えることはできます。しかし、それでも数千円はかかる場合が多いですし、そもそもペン先だけ販売されている万年筆自体がなかなかありません。
そんな訳なので万年筆の用途や好みがあるのであればそれに応じたペン先(字幅)を選ばないと後悔することになりかねません。
万年筆の代表的なペン先の種類
代表的なペン先の種類は以下の通りです。用途が決まっているのであればこれを参考に選んでみてください。ただし、後述しますが国産のものに限ります。万年筆によっても異なるので試し書きをして買うのが一番安心です。
- EF(極細):手帳など細かい字を書きたいときに
- F(細字):普段使いに
- M(中字):万年筆の書き味を楽しみたいときに
- B(太字):宛名書きなどに
用途が特になく、どうして良いかわからないという場合は
ノートなど普段使いしたい場合はF(細字)以下、
万年筆の書き味をより楽しみたい場合はM(中字)以上
がオススメです。
一般的に太いほど万年筆特有のぬらぬらとした書き味やインクの濃淡を楽しめます。
太ければ太いほどインクがたくさん出て濃淡も出るし、摩擦なくヌラヌラと気持ちよく書けますが、ペン先を当てる角度が厳しくなり書きづらくなる可能性があります。
ペンを持つ角度がペン先とあわないとガリガリと書き味が悪くなったり、インクが出なかったりと扱いにくくなります。
そのためB(太字)以上は避けたほうが良いかもしれません。
※もし書きづらく感じた場合は角度を色々変えてみて書きやすくなる持ち方を探ってみてください。
国産品と舶来品では同じペン先でもかなりの違いがある
同じ細字(F)だとしても統一的な規格ではないので、メーカーによって字幅は異なります。
国内3大ブランドであるパイロット、セーラー、プラチナであれば比較的近いのですが、日本と海外のメーカーでは同じペン先でも字幅が全く異なる場合があります。
日本語は画数が多く細かいため同じペン先でも日本メーカーの方が字幅が細い傾向にあります。
感覚的には1~2段階くらい違うこともあります。私の持っている万年筆で例をあげるとイタリアブランド『アウロラ』のEF(極細)がパイロットのFM(中細)かM(中字)に近いくらいです。
もちろん海外ブランド全てがそうというわけではないのですが、こうした傾向にあります。
ちなみに国内メーカーでも海外の
万年筆のペン先の素材で選ぶ
万年筆のペン先は大きく分けて、
金が使われている通称『金ペン』
金が使われておらず、ステンレスなどの金属でできた通称『鉄ペン』
の2種類があります。
一般的に国産万年筆だと鉄ペンが堅く、金ペンが柔らかいと言われることが多いのですが、鉄ペンで柔らかいものも、金ペンで堅いものもあります。
初心者の方に扱いやすいのは『鉄ペン』
インクを出すのに筆圧を必要とするボールペンなどとは違い、万年筆は筆圧を必要とせず寝かせて書く筆記具です。
よくしなるやわらかな万年筆はとても気持ちの良いもので、ぜひ体感していただきたいのですが筆圧が弱い人向け。
筆圧が強いとふわふわとペン先が暴れてしまい書きづらくなってしまいます。最初は避けておく方が無難です。
それに対して硬めのペン先は万年筆に慣れるのにうってつけです。
万年筆を色々使って慣れた方でも最終的には『鉄ペン』の方が書きやすくて好きという方もたくさんいます。
『鉄ペン』の方が『金ペン』よりも安いというメリットもあります。
最初に万年筆を買うなら金ペンのほうがおすすめというサイトもよくありますが、安価でも優秀な鉄ペンから入るのが無難でおすすめです。
万年筆をより楽しみたいなら『金ペン』
万年筆特有のフワフワとして滑らかな書き心地を味わいたい場合は『金ペン』の方がオススメです。
私も最初は『鉄ペン』から入りましたが、万年筆の書き味の魅力にとりつかれてから今使用している万年筆は『金ペン』の方が多くなりました。
ただし『金ペン』は『鉄ペン』と比べて持ち方・書き方に注意が必要です。
持ち方に注意が必要と言っても筆圧をかけないという特性を念頭にしておけば、そこまで神経質にならずとも大丈夫かと思います。
万年筆の持ち方について気になる方はコチラの記事に詳しく書いているので参考にしてみてください。

万年筆のブランドで選ぶ
万年筆をつくっているブランドは世界も含めるとたくさんあります。
気になるブランドがある方はそのブランドの万年筆から選ぶのも良いと思いますが、特になければ日本が誇る万年筆3大ブランドであるパイロット・プラチナ・セーラーから選ぶがおすすめです。
日本万年筆3大ブランドがおすすめな理由
万年筆はボールペンなどと異なり、個体差が大きいので同じ商品でも実際に書いてみると字幅や書き味が全然異なります。
自分に合う一本を探すという意味では楽しい特徴ではあるのですが、まだ万年筆の持ち方に慣れていなかったり、自分の好みが確立されていない場合は困ってしまいます。
その点で先ほどあげた国内メーカー3社の万年筆は品質が安定していて、ハズレを引くリスクが小さく初心者の方でも安心しておすすめできます。
特にその中でもパイロットは一番品質が高く安定していると言われています。
初心者の方におすすめの万年筆


万年筆を使いこなせるか不安な方におすすめの万年筆
万年筆は使ってみたいけれど、使いこなせるか心配という方には『鉄ペン』の万年筆がオススメです。
万年筆初心者にはパイロットのコクーンがオススメ
パイロットの『コクーン』はとても書き心地がよく、オシャレでカラーバリエーションもありながら定価3000円(税抜き)と万年筆の中では買い求めやすいお値段。
パイロットは1000円のカクノが有名ですが、コクーンのほうが軸に適度な重さがあって書きやすさが段違いに良いです。
私もこのコクーンから万年筆の世界にハマりました。
コチラの3点ですぐに万年筆を使えます。
コクーンを含む、オススメの鉄ペンについてはコチラにまとめていますので、気になったらこちらも読んでみてください。
万年筆ならではの書き味を楽しんでみたい方
やっぱり買うからには万年筆ならではの気持ち良い書き心地を楽しんでみたいという方には金ペンの万年筆がオススメです。
コチラで紹介しているのは金ペンのエントリーモデルとして実売価格7000円前後と比較的手頃でお求めやすく、それでいて金ペンの良さが味わえるオススメの万年筆です。
カスタム74 / パイロット
パイロットの『カスタム74』は書きやすく、色々な万年筆を試したものの結局はコレが一番と戻ってくる人も多い名作です。
ペン先が11種類もあって迷ってしまうかもしれませんが、先ほどあげたペン先の選び方を参考にしてみてください。
#3776センチュリー / プラチナ
万年筆は使わないでいると内部のインクが乾いてしまい、書けなくなってしまうものなのですが、プラチナの『センチュリー』は1年以上使わなくても万年筆のインクが乾きにくい優れものです。
手入れの手間が少なくなるので初心者にオススメです。
もちろん書き味も良く安定しているところもオススメの理由のひとつです。
さきほどの『カスタム74』と比べると硬めの書き味で、筆圧が強い方にも扱いやすいかもしれません。
それ以外におすすめの金ペン
そのほかオススメの金ペンについてはコチラにまとめていますので、こちらも気になったら読んでみてください。
初めての1本におすすめの万年筆のまとめ


万年筆の選び方やおすすめの万年筆について書いてきましたが、とりあえず色々試してみてしっくりきたものが一番です。
万年筆は相性なので万人に最高の万年筆というものは存在しません。
ペンの持ち方や手の大きさ、好みなどで合う万年筆は全く変わってきます。
ただ、最初は好みがよくわからないと思うので、安価でも高品質で安心の日本3大ブランドの万年筆を選ぶのがおすすめです。
1本目、2本目などで万年筆に慣れてくると、もうちょっとこういう万年筆が良いなという欲が出てきます。
そうしたときに値段の高い万年筆にチャレンジするのが良いのではないかなーと思います!
これから万年筆を買いたい人や万年筆初心者の方向けに万年筆のことを書いています。良かったら参考にしてみてください。