『万年筆ですぐ描ける!シンプルスケッチ』という万年筆が好きな方なら惹かれてしまうタイトルの本。
万年筆ってところがまず気になるフレーズですし、『すぐ描ける』、『シンプル』ってところが、絵には興味あるけれど、絵を描くのは苦手という私でも取っつきやすい!
絵だけでなく字をオシャレに描く方法も書かれていますし、手帳やトラベルノートをイラストで彩ったり、バースデーカードやメッセージカードなどを作ったりするアイデアも載っています。
手帳やトラベラーズノート、日記、メッセージカードや手紙などさらっと書くのにピッタリでとても実用的です。
本の中にはたくさんの作品例(全220点)と描き方が載っているのですが、作品は恐らくわざと崩して描かれています。
キレイな整った円でなかったり、真っ直ぐな線でなかったり、構図もどこかおかしかったり・・・
著者はプロのイラストレーターの方なので、キッチリとした上手な絵も描けると思いますが、キレイな整った円や線でなくてもなんだかオシャレに見えるのです。
※実際に著者である兎村彩野さんの作品を覗いてみたらやっぱりプロだなという絵やイラストばかりです
下手な自分でも「これなら描けるかも」という気にさせてくれる効果がここにもあります。
本の中身がプロフェッショナルなすごい絵ばかりだと憧れますが、絵が苦手な人にとってはレベルが高すぎてやる前から自分にはムリと思ってしまいます。
シンプルスケッチの中のサラッと書かれたヘタウマな絵たちを見ていると、そんな私でもできそうと思わせてくれますし、実際に描いてみた自分の絵と比べて落ち込むこともないので楽しく進められます。
さらに途中のコラムでも・・・
手から生まれた線に失敗の線はない
と、失敗を怖がる私たちの背中を押してくれます。
最初から最後まで絵の初心者や苦手な人に寄り添って書いてくださったような本です。
実際にやってみたら万年筆効果なのか、学校の美術の時間以外でほとんど絵を描いてこなかった絵が苦手なわたしが描いても何となくカッコよく見えます。


実際に使ってみて、こんな人におすすめです。
- 絵を描けるようになりたいけど、苦手意識がある人
- 字を書く以外の用途でも万年筆を使いたい人
- 万年筆初心者の人・万年筆をこれから使ってみたい人
絵が苦手だけど描けるようになりたい万年筆ユーザーのかたにはピッタリ!!
目次
『万年筆ですぐ描ける!シンプルスケッチ』の概要

章立てにそって本の内容を簡単にご説明します。
Prologue:シンプルスケッチを描く前に
最初の章では万年筆の扱い方をガッツリ説明しています。
万年筆の仕組みや持ち方、お手入れ、紙やインクなど万年筆の基本的なことが写真付きでわかりやすくコンパクトに説明されています。
万年筆初心者の方や、これから万年筆を使いたいという方には良いマニュアルになります。
すでに万年筆を使っている人でも何となくでやってきたことが正しいのかチェックするきっかけになります。
Part1:身の回りのモチーフをおしゃれに描く
キッチンや食べ物、生活雑貨など身近なものをイラストにする方法が書かれています。
マグカップやワインボトル、ハンバーガー、本などなど・・・
少し難しいものもありますが、本のとおりに書いていると何となく描けます。
Part2:文字をおしゃれに描く
筆記体やブロック体、立体ブロック体などおしゃれなアルファベットを描けるようになります。
文字だけでもおしゃれですが、イラストと文字を組み合わせることでロゴっぽく描けたりして幅が広がります。
Part3:あしらいをおしゃれに描く
文字やイラストのまわりを彩る飾りを描きます。
これがうまく使えるようになると、メッセージカードやバースデーカードなど一気におしゃれになります。
Part4:応用編
最後の応用編では、万年筆だけでなくアルコールマーカーやフェルトペンなど他の道具も利用してカラフルなイラストを描いたり、アレンジしたりする実用例を紹介しています。
たとえばこんなものが紹介されています。
- ウェルカムボード
- バースデーカード
- 手帳&旅の記録
トラベラーズノートを使っている身としては手帳や旅の記録を彩るアイデアは使ってみたい!
おまけ:なぞり描きブック

巻末に『なぞり描きブック』という小さな冊子がついています。
本に載っている作品例がまとめられていて、なぞるだけで描けるようになっています。
コンパクトサイズなので手帳などに挟んで持ち運ぶのも良いかも!!
写真のとおり、トラベラーズノートのレギュラーサイズ(A5スリム)に挟めるサイズです。
シンプルスケッチのまとめ

シンプルスケッチ自体は万年筆に限らず使えるものですが、タイトルのとおり、あくまで万年筆で描くことにフォーカスを当てています。
万年筆の扱いにもページ数を割いていますし、描き方の説明でも万年筆ならではのことが書いてあります。
万年筆を使わない人にとっては不要な情報が多くなってしまうので、もし他に似たような本があればそちらの方が良いかもしれません。
しかし逆に言えば万年筆でイラストを描きたい人にとっては貴重な本です。
絵の初心者にとってのとっつきやすさではこの本を超えるものを見たことがないので、絵が苦手な方にこそ手にとってみていただきたい本です。
シンプルスケッチは以前ご紹介した万年筆ラクガキとの相性も良さそうです。
万年筆ラクガキは万年筆で描いた線をベースに水筆でぼかして描くので、ベースとなる絵を描く力があったほうが描ける絵も広がるはず。
シンプルスケッチでいろいろな絵を描けるようになれば万年筆ラクガキと掛け合わせる相乗効果で描ける絵や表現力が格段に上がると思うので、『シンプルスケッチ』と『万年筆ラクガキ』どちらもやっていけたら良いな~と思っています。
万年筆についてこんな記事も書いていますので、良かったらコチラもどうぞ!